主体的・対話的で深い学びについて

教育

 主体的・対話的で深い学びは新学習指導要領の方針の大枠の一つです。わかったようなわからないような。今回はNITS独立行政法人教職支援機構の校内研修シリーズNo25を参考に感想?まとめ?記事を書きました。

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて:校内研修シリーズ No25

 学習指導要領における育成を目指す資質・能力の3つの柱は、各科目の見方・考え方を働かせ、各科目の活動を通して育成させることとしています。掲題の主体的・対話的で深い学びは、各科目の活動を行う際に実践される方法(どのように学ぶか)で注目されています。
 動画では3つの柱、それぞれについて深い学びは何かについて解説されているため、その流れに沿って記述してきます。

知識・技能における深い学び

 知識・技能は最終的には”生きて働く知識・技能”とならなければなりません。授業のねらいの項目を教師が説明しそれを生徒が理解する、だけでは本質や深い学びにする事はでき無さそうです。では、深い学びにするにはどうしたら良いでしょうか?結論は、自分の持っている別の知識と関連付け等を行い考察して自分の言葉で説明できる、レベルでの理解が深い学びになると考えます。
 例えば、直角三角形の合同条件を学習したとします。これを深い学びにするためには、直角ではない三角形の合同条件と比べて条件が緩くなっていると考察したり、この他に特殊な合同条件はないのかと探してみたりする、等が必要になってきます。

思考力・判断力・表現力等における深い学び

 思考力・判断力・表現力等は”未知の状況にも対応できる”とされています。正直なところ、私は、思考力・判断力・表現力等を使っている状態はそのまま深い学びに繋がると考えています。そのため、本項目の深い学びは思考力・判断力・表現力等それ自体にかなり近いと感じているところです。では、思考力・判断力・表現力等を使った学びというのは、どういうものでしょうか?結論としては、未知の問題に対して、既に知っている知識・技能を使い、どの方法が正しいか判断し、または組み合わせて、最適の手段で表現する、この流れを学ぶ、という事だと考えます。
 例えば、数学の問題で、「縦の長さが横の長さより4cm長い紙の四隅から2cmの正方形切り取って体積が48\(cm^3)\)の直方体の容器を作る」ような問題に”初めて”であったとします。まずは、問題の理解の為に図形の知識、一次方程式の知識、別の二次方程式の知識等いろいろな知識をまず持ってきて何を使うかを判断しなければならないでしょう。そこには、答えにたどり着くための見通しを立てて\(x\)を設定したりする事にもなります。また、答えが出てからも解を吟味しないと\(x=-2\)のような誤った解を選んでしまうかもしれません。
 この例では、よくある二次方程式の問題を例にしましたが、未知の状態を与える事で、思考力・判断力・表現力等の深い学びを得られると考えます。もっと深い学びに近づけるためには自立的・協働的というキーワードも関係ありそうですね。他人の意見を積極的に取り入れ価値観を広げる作業、こういうところから深い学びを与えてあげる事が重要になります。

学びに向かう力・人間性等における深い学び

  学びに向かう力・人間性等は”学びを人生や社会に生かそうとする”となっています。児童生徒が学びに向かう時、「良い成績が取ってほめられたいから」「他の人には負けたくないから」或いは「両親に言われたから」もあるかもしれません。もちろんそれでも自ら学ぼうとするのであれば悪いことではありません。しかし、より深い学びに向かう力・人間性等を得るためには、「純粋な数学という学問に対する興味・憧れ」「社会の役に立つ学問であるという意識」こういう所を身に付けるだと考えます。
 具体例ではありませんが、私の意見としては、教師自身の熱意が伝染して生徒たちもそう思えるようになる、事も一つ手立てだと考えます。他にも、総合的な学習の時間などとリンクさせ社会一般の課題から学問の素晴らしさを感じ取らせてあげる事も重要でしょう。

 以上、3つ項目についての深い学びについて考えてきました。先の動画では、主体的・対話的であっても深い学びにならない場合を紹介しています。ただ発言した、ただ議論した、だけでは深い学びにはあと少し届かないことも往々にしてあります。最終的に自分の言葉で表現して自覚できるレベルまで導き、深い学びを与えたいですね。

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