学習評価について

教育

 学習評価の項目も色々と考える事が多いので、原則をまとめておきます。再確認したい方等ふらっと見ていただけると幸いです。

全体像

 まずは全体像からの確認です。平成29年改訂学習指導要領では学習評価の改善の基本方針では、①児童生徒の学習改善につながるものとしていくこと、②教師の指導改善につながるものにしていくこと、③これまで慣行として行われてきたことでも、必要性・妥当性が認められないものは見直していくこと、とされています。また、学習評価における観点別学習評価は育成を目指す資質・能力の3つの柱に基づいて整理されています。対応は以下の通りになります。

育成を目指す資質・能力

(1) 知識・技能
(2) 思考力・判断力・表現力等
(3) 学びに向かう力・人間性等

学習評価(観点別学習状況の評価)

(1) 知識・技能
(2) 思考力・判断力・表現力
(3) 主体的に学習に取り組む態度

 学びに向かう力・人間性等の資質・能力は、観点別学習状況の評価においては、「主体的に学習に取り組む態度」として見取る事になっています。感性・思いやりなどは”学習”の評価にはなじまないということですね

知識・技能(観点別学習状況の評価)

・評価項目
 事実的な知識だけでなく概念的な知識の習得にも心掛ける必要があります。方程式の各項の意味の理解、日常の事象を数学的に理解したり、逆に数式を日常の事象に落とし込んだりできる力も含まれます。
・主な評価方法
 ペーパーテストがメインになりますが、発言、ノートや机間指導、を使ったでの様子を見て評価します。ペーパーテストでは、事実的な知識だけでなく、〇〇の意味を説明しなさい等の概念を問う問題も重要になります。また、問題の量で何問回答できたかを見るのではなく、問題を工夫してどういうタイプの問題を苦手としているかを見る事で、児童生徒の実力の確認、更には授業へのフィードバックも可能になります。

思考力・判断力・表現力(観点別学習状況の評価)

・評価項目
 知識・技能を使って課題を解決するための思考力・判断力・表現力を評価します。未知なる状況での課題解決を評価したいため、教師が適切な場面設定をしてあげる事がカギになります。いきなり未知な状況に放り込むような無謀な場面設定、教科書の応用問題の数字だけを変えた簡単すぎる場面設定、にならないようにしたいですね。
・評価方法
 ペーパーテストだけでなく、レポート作成、発表、ワークシート等、その時の時間的制約や生徒の実情に合わせて評価方法を工夫します。レポートの内容としては、一度、教科書の応用問題を授業で取り扱った後に、同じ原理・法則を使って回答が導き出せるような場面を設定し、課題を解決できるかを見るのが良くある手法です。

主体的に学習に取り組む態度

・評価項目
 ”粘り強く取り組みを行う側面”と、その取り組みの中で”自らの学習を調整する側面”の2つ側面を総合して評価します。改定前の関心・意欲・態度の観点に対応はしますが、関心を持つだけでなく学習に取り組む事に繋がっているかがポイントになります。粘り強く取り組んでいる児童生徒には、学習の調整方法を教授し調整を促してあげることが重要ですね。
・評価方法
 ノート、ワークシート、行動観察、レポート等、様々ありますが、何と言っても「振り返りシート」(学びの足跡)でしょう。小単元ごとに、分かった事、分からなかった事、知りたい事、等を丁寧に振り返り文章として残すことで成長を評価すると共に実感させる意味で非常に有効な手法になります。

 簡単ですがまとめは以上になります。評価は、そのタイミングや生徒の状況に応じて適切な項目を内容のまとまりや単元に配置する事でより効果的になるので、この辺りも工夫していきたいですね!

参考

「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する資料(数学編)

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